産業数理統計チュートリアル
この度、12月12日-13日に、昨年に引き続き産業数理統計チュートリアルを開催いたしました。産業界や行政機関、研究職、大学院生・学部生など、幅広いバックグラウンドをお持ちの44名の皆様にご参加いただきました。終了後のアンケートでは、多くの方から「統計学やデータ解析の新しい知識や実務に役立つスキルが身についた」「わかりやすい講義が新鮮で興味深かった」との声をいただきました。一方で「もっと具体例を知りたい」というご意見もあり、今後の参考にさせていただきたいと思います。今回のチュートリアルで得られた知見が、皆様の実務や研究に少しでもお役立ていただければ幸いです。
【以下は今回の開催概要です】
2023年度に引き続き、統計やデータサイエンス数学の専門家から学べる「産業数理統計チュートリアル」を開催します。
九州大学が推進する「脱炭素」「医療・健康」「環境・食料」の社会課題において、数理・データサイエンス・AIを学術的基盤とした研究のニーズが急速に高まっている中、マス・フォア・インダストリ研究所(IMI)に2022年4月に設置された産業数理統計研究部門では、統計分野を中核とする分野横断数理基盤の形成を目指し、統計学の学理を深めるとともに、社会や産業、諸分野の多様な課題の解決に貢献し、統計の若手中核の人材育成を行っています。
日時
2024年12月12日(木)・13日(金)
会場
〒819-0395 福岡市西区元岡744
九州大学 伊都キャンパス 稲盛記念館 稲盛ホール
【主催】 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 産業数理統計研究部門
【共催】 九州大学 データ駆動イノベーション推進本部 データ分析支援部門
九州大学 数理・データサイエンス教育研究センター
募集人数
100名(申込者多数の場合は抽選)参加無料
事前に参加登録をお願いいたします。
事前参加登録の締切りは2024年11月30日(土)です。
受講対象者
業務でデータサイエンスや関連領域の知識や技術を必要とする産業界や行政機関の方々
研究で統計学を必要とする研究者や大学院生・学部生
数学の専門家からの学び | IMIの教員から実践的な知識や統計数学の理論を直接学べる |
最新のトレンドのキャッチアップ | 位相的データ解析など最先端のトピックに触れる |
統計数学の理解促進 | 統計数学の基礎から先進的なトピックまでの幅広い知識を提供 |
データドリブンの時代への対応 | データサイエンスや統計学を活用して産業界の課題に対応する能力を育成 |
次世代技術者の養成 | データや統計学を活用して課題解決に活躍できる次世代技術者の養成 |
プログラム
日 時 | タイトル | レベル | 講師 | トピック | 関連する前提知識 |
12月12日(木) 9:30 – 10:20 |
受 付 ( 稲盛記念館 稲盛ホール ) |
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12月12日(木) 10:30 – 12:00 |
t検定の数理的基礎 | 初級 | 廣瀬 雅代 | 統計的仮説検定 t分布 t検定統計量 様々なt検定 |
統計的仮説検定 t分布 |
12月12日(木) 13:00 – 14:30 |
統計的推測、漸近理論 | 初級 | 廣瀬 慧 | 無限母集団 漸近理論の具体例 最尤法 一致性、漸近正規性 大数の法則、中心極限定理 |
極限の基礎 確率分布の基礎 テイラー展開 |
12月12日(木) 14:50 – 16:20 |
外れ値に頑健な推定法 | 初級~ 中級 |
倉田 澄人 |
データの中の「外れ値」 最尤法とM推定 外れ値の影響と頑健性 いくつかの具体例 |
記述統計の基礎(データの平均値、中央値、分散、相関係数) 尤度、最尤法 確率分布の基礎 |
12月13日(金) 10:30 – 12:00 |
ベイズ線形回帰、ベイズ情報量規準 | 初級~ 中級 |
德田 悟 | ベイズ線形回帰 ベイズ情報量規準 |
確率分布の基礎、最小二乗法、微分積分 確率分布の基礎、微分積分、線形代数 |
12月13日(金) 13:00 – 14:30 |
位相的データ解析 | 中級~ 上級 |
池 祐一 | パーシステントホモロジー 機械学習との組み合わせ トポロジー的損失関数 |
線形代数 機械学習 微分・勾配降下法 |
⏩ 講義時間の制約に合わせて一部を省いたり追加することもある。 |
初級: 簡単な確率の計算や線形代数・微積分をある程度理解していることが望ましい
中級: 推定・検定を勉強したことがあることが望ましい
上級: 数理統計を一通り学んだ程度の知識があることが望ましい
お問い合わせ
九州大学 数理・MI研究所事務室